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やまなしおちなしいみなし。
でも女体化。



いずれ来る敵の軍勢を想定し、固く閉ざされた双魚宮の薔薇園は、ミロだけには解放されていた。
かつての聖戦の折、黄金聖闘士のうちにもハーデスに寝返ったものがあるというから、「黄金聖闘士」という身分だけによる判断ではないだろう。もしかすると、毒に耐性があるからかもしれない。
宮の主が固く口を閉ざすため、確かなことはわからなかったが、自分が特別なように思えて、嬉しかったことを覚えている。

宮の主が不在となった今では、誰も守るものがいないので、自由に出入りすることが出来る。
ミロはアフロディーテが育てあげた藍の薔薇を手折ると、腕に抱え込んだ。

あの日もこうして、スカートのフレアをたくし上げて、教皇宮への道を歩いた。神々から祝福されているように何もかもが眩しさに満ちて、幸福だった。
神のいない社、かりそめの平穏とも知らず。
今にして思えば、呑気なものだ。
あのとき、教皇だったサガは、薔薇を捧げに向かったミロを引き止め、仮面越しに覗き込みながら、ミロさえ望めばすべてが手に入るのだと言った。
この手を、手を掴めば。

今なお、どうしてあのときサガが差し出した手を掴まなかったのか、判然としない。
子ども特有の残酷な気紛れで、理由などなかったのかもしれない。
それとも、自分はサガの手を掴んだのだろうか。
記憶が抜け落ちているのか、消されたのかすら曖昧だった。

だが、愛おしいことに相違はない。

今日もミロは、愛するものへ薔薇を捧げに行く。



はかまいりナウ

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