雑記および拍手にてコメントいただいた方へのご返信用です。
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「それで何故私があなたの慣れ染めを聞かされることになるのか、…解せませんね。」
「教皇が披露宴で祝辞を読む資料にするから、ムウに話してまとめさせるようにと言っていた。」
「…まったくシオンときたら…いつものことながら傍若無人が目に余ります…。それで?慣れ染め??慣れ染めも何も、どうせ大したことはないんでしょう?あなたがカノンに押し切られてこんなことになっているに決まっているんですから、原稿に書き起こしたところで3行で事足りるんじゃないですか。」
「お前、失礼だな。」
「歯に衣着せたところで、あなたのおつむ相手では無駄でしょう。しかし…それでは私がシオンに嫌味を言われてしまいますから、何がきっかけで結婚に踏み切ったのか話してください。」
「…仕事をしていたところ、カノンが急にやって来てプロポーズして来たので、受けた。それだけだ。」
「…。」
「……。」
「……1行で済みましたね。」
「…………そうだな。」
「本当に大したことないじゃないですか。」
「う、うるさい。」
「あなたに自主的に話させようとした私が馬鹿でした。」
「お前、本当に失礼だな。」
「プロポーズに至る過程があるはずでしょう?前触れはなかったんですか?」
「前触れ?」
「些細なことでも構いません。…とはいえ、本当に些細な予兆であれば、ミロが気づくとも思えませんが。」
「ううーむ。…そういえば、」
「何かありましたか?」
「プロポーズをされた。」
「…………受諾したもの以外にですか?」
「ああ。急におかしなことを言うものだと言って断ったのだが。」
「断ったんですか!?」
「本当に急な話だったのだ。怪訝に思って断っても仕方ないだろう。責任がどうのこうのわけわからんことを言っていたから、本気だとは思わなかったし。」
「それは…さすがにカノンに同情を覚えますね。」
「おい、笑い話ではない。腹を抱えて笑うな!」
「す、すみません。ミロらしいと思って。ブフッ しかし、責任とは?」
「わからん。」
「あなたは他の女闘士のように仮面をつけているわけでもないから、素顔を見られた云々でもないでしょうし、おかしな話ですね。何か責任を取ってしかるべきようなことをされたんですか?…ああ、そういえば、ゴールデントライアングルを喰らって丸一日いなかった気が。それに関係あるんじゃないですかね?」
「そういえば、そんなこともあったな。」
「普通、生半可な気持ちでは必殺技は放たないですよ。あなた、何をしでかしたんですか!」
「ええい、勝手に俺のせいだと決めつけるな。特には…ただ、」
「ただ?」
「カノンのヴィンテージもののジーンズに酒をこぼした。」
「…いくら酔っぱらっているからといっても、それしきのことで必殺技を放つような人格破綻者だったら、結婚しない方が身のためですよ。それで?」
「それで、染みにならないかと焦って慌てて拭いたのだが、作法に適っていなかったらしく、ゴールデントライアングルを喰らった。」
「…作法?飲みものをこぼしたときの拭き方に作法などありませんが、まあ、ミロの言うことですし…続けてください。それで?」
「帰って来てからデスマスクに愚痴ったところ、デスマスクが正式な作法を教えてくれたので、カノンのところに詫びを入れに行って、正式な作法であらためてやってやったのだ。」
「ふんぞり返って言われても、その「正式な作法」とやらが見当もつかないのですが…具体的にはどういうことをやったんですか?」
「?別に大したことはしていないぞ?」
「そうは言われても、私の中では、あなたが大したことをしでかしたのではないかという不安が渦巻いているんですが…。」
「ほら、お前たち男は股の間に何かついているだろう。俺にはないやつだ。」
「………………冒頭からそれですか。私は聞くべきなのか否か…。」
「それを正式な作法に則って口で「もう充分ですそれ以上は止めてください。」
「何なんだ。自分から聞いておいて話を遮るとは。失礼なやつだな。」
「……。」
「…な、何だその眼は。」
「あなた…かわいそうな人ですね。まさかそれほどまでに世間知らずだったとは。」
「む…この蠍座の黄金聖闘士ミロのどこが世間知らずだというのだ!」
「そういうところがですよ。何なんですか!そんなにたやすく騙されて!普通、情操教育の一環で教わっているでしょうそういう大事なことは!」
「……今聞き捨てならん言葉が聞こえたが…騙される?」
「そうですよ。あなたは騙されたんです。何なんですか一体その正式な作法とは。」
「?お前の言うことはよくわからん。」
「奇遇ですね。私もあなたの言うことは意味がわからないです。」
「それで、どういうことなのだ?」
「…一つだけ、同期のよしみで確認しておきますが。」
「おい、俺の質問に答えろ。」
「最後まで…いや、そう言ってもわからないか…何と尋ねれば…。」
「おい、ムウ!」
「良いですか、ミロ、よくお聞きなさい!」
「な、何だ?!」
「あなたはカノンの…いえ、カノンに、何かされましたかっ?!」
「か、カノンに?」
「そうです!重要なことですよ、思い出してください。」
「…さ、されたが…?それが、どうかしたのか?」
「…。」
「……。」
「………ミロ、」
「う、うむ。何だ?」
「セックスってご存知ですか?」
「セックス…?英語で「性別」という意味ではないのか?おい、英語くらい話せるぞ、馬鹿にするな。」
「そうではないのですが…もう何を言ったところで後の始末ですね。ミロ、あなた…」
「何だ!」
「もう処女ではなくなっていますよ、きっと。」
「おい、先ほどこちらから、妙な小宇宙の高まりとともに絶叫が聞こえてきたが…む、ミロ。どうし…!!!お、おい、足元に転がっているデスマスクは生きているのか?!」
「カノン…、」
「これはもしや…ダイイングメッセージか?MI…ミロ、お前、まさか…、」
「殺していない。」
「一体どうした?お前は理由もなしにこのような所業に及ぶようなやつではないだろう。おい、こちらを向け。顔を背けていないで、ちゃんと俺を見ないか。」
「…っ!」
「?ミロ、お前、顔が赤…」
「し、知るか馬鹿者!お前など嫌いだ!」
「み、ミロ?!ミロ…ッ!待て、…行ってしまった。急にどうしたというのだ。あいつ…わけがわからん。そんな奇天烈なところもいとおしくはあるのだが。フッ…それにしても聞き捨てならん言葉を吐いていったな…俺のことが嫌い、だと?」
「…カノ……、」
「むっ、すまんデスマスク!大丈夫か?!いくら数発とはいえ、SNは痛かろう。今、すぐに治療者を呼んで来てやるからな。」
「……。」
「?何だ。俺に何か言いたいことがあるのか?」
「…悪ィ、ばれた。」
「?何が、だ?」
「フェラ。」
「」
「…愛があれば問題ないはずだ。」
「そう言いつつもミロのところに行けないんだから、大概、あなたも弱気だよね。」
「惚れているのだから仕方ないだろう!!!」
「素直に謝罪したら?ミロだって話のわからない子じゃないし、愛があれば大丈夫だと思うけど。」
「…アフロディーテ、お前はそう思うのか?」
「もちろん。ミロは情愛深いし、大丈夫だよ。」
「そう…だよな。」
「ああ。ほら、私の薔薇でとっておきのをあげるから、さっさと謝罪してくれば良い。あまり待たせるとあの子は機嫌を損ねるから。」
「そうだな!ああ、わかった!薔薇、すまんな。有難くちょうだいしていくぞ!」
「大したことじゃないよ。いってらっしゃい。」
「行って来る!ウワーッハハハ!ミロ、待っていろ!今行くからな!」
「……行ったか。これで心おきなく剪定作業に戻れる。デスマスクの尻拭いもこれが最後になれば良いけど…まったく。」
「アテナ、ミロはいますか!」
「………ここにはいませんが…その薔薇はどうしたのです、カノン?」
「ミロへ贈ろうと思った次第です。」
「うふふ、ミロへの贈りものならば、薔薇よりも食べ物の方が効果的だと思いますよ。…何か喧嘩でもしたのですか?」
「いえ、あの、喧嘩というほどでもないのですが。」
「あなたが言葉を濁らせるなど珍しいこともあるものですね。喧嘩でなくとも、ミロを怒らせるようなことをしたのでしょう。良ければ、私に話していきませんか?」
「その、ええ、アテナのお手を煩わせるようなことでは…。」
「………カノン?」
「はい。」
「これはシオンから相談を受けているのですが…ミロはあなたとの婚約破棄を申し出たそうですよ。」
「?!」
「何をしたのか、話してごらんなさい。あなたも、ミロとの婚約破棄は本意ではないでしょう?一緒に解決策を模索しましょう。」
「いや、し、しかし…。」
「カノン…。」
「…アテナ、わ、私は。」
「………話せないならば仕方ありません。ミロを心から愛するあなたのことですから自分からミロに邪なことをしたわけではないでしょうが、…あの純粋なミロのことですし…、大方、他所からにわかには信じられないような大法螺を吹きこまれてきたミロに対して決して人には言えないような破廉恥な真似をしたというのが正解でしょう。」
「…さ、さすがは我らがアテナ…いつものことながらまるでその場で見聞きしていたような洞察力、恐れ入ります…。」
「まあ、そんなかしこまらないでくださいな。ミロでしたら、最奥の部屋で、シオンの手を焼いているはずです。私も謝罪してあげますから、一緒に参りましょう。」
「しかし、アテナのお手を、」
「何事かあったときのために、マカロンも持っていきましょう。本当は、いつも使えてくれている侍女たちに配るつもりだったのですが、また日を改めて買ってくれば良いだけの話ですものね。」
「しかし…それほど大量のマカロンを何故?」
「ふふふ、あなたも存外ミロのことをわかっていないのかもしれませんね。」
「!」
「ミロ、ミロはいますか?」
「…アテナ。………ッ!お、お前は!」
「ああ、そのようなふくれっ面をしないで。せっかくの愛らしいかんばせが台無しですよ?」
「ミロ、すまん。俺は…、」
「待ってください、カノン。このような往来のある戸口で話すようなこともないでしょう。ミロ、もちろん、中に入れてくれますよね?」
「し、しかし、俺、いや、私は、」
「まあ、癇癪を起こしたのね!部屋が羽毛だらけではありませんか!でも、クッションを引きちぎられるくらいで済んで良かったわ。」
「も、申し訳ありません…!」
「良いですよ、ミロ。誰しも癇癪を起こすことはあるもの。ところで、シオンは?」
「……私の相手はしていられないと言って、ムウを呼びに行きました。」
「あら、そうですか。」
「ミロ…。」
「…。」
「……すまん!悪気はなかったんだ!」
「…。」
「デスマスクの思惑に乗ったことは謝る!だが、それも、お前を一途に思えばこその行動だったのだ!」
「…。」
「ミロ、頼む、俺を赦してくれないか…。」
「…。」
「ミロ、お腹がすいたでしょう?そろそろお昼時ですものね。ほら、あーんしてください。」
「…。」
「美味しいかしら?」
「…美味しいです。」
「ふふふ、目を輝かせてあいらしいこと。それで、カノンの言い分は聞いてあげないのかしら?公正明大を重んじる黄金聖闘士であれば、私は、少しくらい、話を聞いてあげても良いと思いますが。」
「……しかし、私は…。」
「ミロ、これは秘密ですが、私は、あなたを一番買っているのですよ。あなたはいついかなるときも、私のために働いてくれた。聖戦の折も、参じてくれたカノンの是非を問い、SNで赦免してくださったでしょう?もちろん、他の黄金聖闘士の面々にも私はとても感謝していますが、あなたは私の中で別格なの。」
「アテナ…!身に余るお言葉です…!!」
「そんなあなたのことですから、いくら怒りに駆られているとはいえども、今回も、カノンの是非を問うくらいのことはしてくださるでしょう?何でしたら、あのとき同様、SNを打ってくれても構いませんよ。ほら、お口を開けて。うふふ、雛鳥みたい。あいらしいのね。美味しいですか?…。そう、美味しいなら良かったわ。それで、どうしてそれほどまでに腹を立てているのですか?」
「ムウが…、」
「ムウ?彼が何か?」
「ムウが、私はもう処女ではないかもしれないと言って…だから…。」
「………これからカノンと結婚するのですもの。多少初夜が式を前後しても構わないのではありませんか?」
「しかし、私はっ。」
「ミロ、落ちついて。ほら、またマカロンをあげるわ。美味しいでしょう?次は栗味をあげましょうね。抹茶もあるのよ。…それで、カノン、それは事実なのですか?」
「いえ、このカノン、ミロの処女はまだ奪っておりません!それだけは断言できます!…かなり際どいことをしてしまったのは事実ですが。しかし、まだそこまでは!」
「良かったですね、ミロ。それでは、これで心おきなくカノンと結婚できますね。」
「…。」
「左右に首を振ってどうしたのです?まだ何か問題でも?」
「…。」
「ああ、お口の中がいっぱいで話せないのね。どうぞ、咀嚼を優先してください。」
「……………カノン。」
「ようやく俺を見てくれたな…!何だ?」
「俺は本当に、まだ、処女なのか?」
「…正直そこまで拘るようなことでもないと思うが、ああ、そのとおり、お前はまだ処女だ。だから安心して、初夜はこの俺に身を委ね」
「アテナッ!」
「ええ、何でしょう、ミロ?」
「おい、俺の告白はスルーか?!」
「やはり、このミロ、カノンとは結婚いたしかねます!」
「?????!!!!!!!!!!」
「カノン、落ちついてください。精神攻撃だけでよろめくなんてあなたらしくもない。…ミロ、それはどうしてですか?」
「カノンの発言が確かであれば、私はまだ処女なのでしょう?」
「ええ、そうですね。あまり連呼するような単語ではありませんが、事実は事実です。あなたは処女のはずですよ。」
「ならば、このミロ、結婚するわけにはまいりません!」
「それはどうしてですか?」
「処女神アテナにお仕えする身でありながら、どうして、処女を捨てることができましょう。このミロ、生涯のすべてを賭けてアテナにお仕えすると心に決めているのです!」
「…何だか私までとばっちりで恥ずかしくなってきてしまったわ。ミロ、ほら、お口を開けて。そうね。しばらく静かにしていてちょうだい。…良いこと?別に私に仕えるものはみな処女ではなければならないなどという掟はないのですよ。むしろ、次代のために、愛するカノンと添い遂げて新たな黄金聖闘士を設けることこそ、あなたの使命だとは思いませんか?」
「…。」
「そう、思わないの…。でも、あなたはカノンのことを愛しているのでしょう?」
「……。」
「赤面するくらいだもの、否定しても駄目ですよ。結婚したからと言ってあなたを聖域守護の任から外すつもりもないですし、私は愛するもの同士が添い遂げてくれることの方がよほど嬉しいわ。…何か話したいことがあるようね。どうぞ、話してごらんなさい。」
「アテナ、」
「何でしょう?」
「私は…その…、」
「ええ、だから、話してごらんなさい。」
「このミロは……敬愛するアテナとお揃いが良いのです。」
「まあ、ミロ…。」
「だから、カノンと結婚するわけにはまいりません。」
「ミロ、あなたの気持はとても嬉しいけれど、それではカノンが傷心のあまり死んでしまうわ。ほら、ごらんなさい。もうすでに立ち直れそうにないほど力尽きているでしょう。あれは心が折れかけているのですよ。」
「しかし、やはり、私は、」
「ミロ?聞き分けのない方は嫌いですよ。」
「!」
「それならば、こうしましょう。あなたは処女を捨てるのが嫌みたいだけど、カノンと結婚するならば、どうしても捨てなければならないものなの。だから、せめて、私があなたの処女を奪ってあげるわ。ね、それならば良いでしょう?」
「!アテナが!」
「?!!!アテナ?!!!!どうしてアテナがミロを「カノン、あなたはもう少し黙っていてください。」
「…すみません。」
「ミロ、それでも、嫌?」
「いいえ、そのような!身に余る光栄です!」
「ふふふ、目を輝かせて本当にかわいらしい。食べてしまいたいくらいだわ。どうせですから、カノンに見せつけてあげましょう。少しくらい、カノンも痛い目を見た方が良いでしょう。ミロ、目を閉じて。そう、それから少し身をかがめて……まあ、いつもあなたは前髪を下ろしているけれど、こうして前髪をあげてみると幼く見えるものね……それでは行きますよ………はい、終わりです。あなたはもう処女ではありませんよ。気分はどうですか?」
「何だか胸がどきどきして、頭がふわふわします。」
「うふふ、処女を奪われたのだから当然です。」
「なるほど、処女を奪う行為というのは、額への口づけのことだったのですね!」
「……ミロ、お願いがふたつあります。」
「はい!何でしょう?」
「一つは、あまり処女という単語は連呼するものではないということです。秘めてしかるべき言葉なのですから、あまり口にしないように。」
「!そ、そうだったのですか…申し訳ございません!」
「もう一つは、私があなたの処女を奪った話を伏せていて欲しいということです。」
「?」
「あなたは特別なので私自ら奪ってあげましたが、…神代の時代ならばいざ知らず、神が人間の処女を奪うというのはあまり褒められた行為ではないのです。それに、あなたも周囲からやっかみを受けたくはないでしょう?」
「!」
「だから、これは、私とあなたとカノンだけの秘密ですよ?」
「は、はい…!アテナ、そこまでこのミロの身を案じてくれるとは…このミロ…一生をかけてアテナにお仕えいたしますっ…!」
「まあ、とても嬉しいわ。うふふ、そんな可愛いミロには、もう一つ、マカロンをあげましょうね。…それではカノン、あとは頼みましたよ?」
「…。」
「あら…?すっかり心が折れて真っ白になってしまっているわね。」
「アテナ、あとはこのミロにお任せください。アテナのお手を煩わせるまでもありません!」
「…そうですか?少し不安は残るけれど、あなたがそう言うならば任せましょう。良いですか、一昼夜かかっても良いですから、カノンと仲直りするのですよ?」
「はっ!」
「とは言ったものの、さて、どうするか。」
「う、ううーん。ミロ…ミロ…。」
「眉間にしわが寄っている…せっかくの美貌が台無しだな。…伸ばしてやるか。」
「ううーん…。」
「むっ、寝ていながら俺の手を払うとは、やるではないか。ならば、これではどうだ。」
「…。」
「また払われた。しかも今度は邪険に、だと。失礼なやつだ。おい、カノン起きろ!」
「……。」
「…本当に寝ているのだよな?狸寝入りではないよな?」
「………。」
「…起きないのならば、……。」
「…………。」
「うわっ!」
「…おい、ミロ。お前今何をした。」
「お、お前、寝たふりか!卑怯だぞ!!ええい、重い!退かんか!おい、手を離せ!圧し掛かられた上に手首を拘束されたのでは、身動きがまるで取れん!」
「気が向いたら離してやる。それより、さっきの行動の真意は何だ?」
「べ、別に…。説明が必要か?」
「ああ、だから話せ。」
「…。」
「……。」
「………。」
「…………根競べなら負けんぞ?」
「くそ…わかった。首に唇を押しつけるな、気が散る!…ならば話すが…お前が寝ていたから、」
「俺が寝ていたから?」
「…っ!耳元に息を拭きかけるな!おい、笑っているな?くそ、お前、覚えていろよ…!ただ、俺は、お前が寝ていたから、しょ、処女を奪ってやっただけだっ!悪いか!」
「やはり、気のせいではなかったか…。」
「黄金聖闘士らしい行為ではないし、褒められた真似でもないということは承知している!だが、他のものに奪われるくらいならば、俺が…、お、おい、何を笑っている。何がそんなにおかしい。待て、人を抱き上げるな。か、カノン…?」
「悪いな。やはり、初夜まで待てそうにない。だが、そんなにあいらしいお前が悪いのだぞ?このような、ベッドのある部屋で俺を誘うから…。」
「??」
「ミロ…、」
「ンッ…。」
「黄金聖衣が邪魔だが…これはこれでものすごくそそるな。」
「は…、だ、駄目、そこは…っ。」
「本当に駄目か?こんなに濡らしているのに?」
「っ…、」
「ミロ…、答えてくれ…。」
「はっ、はっ、ああっ。」
「身をよじって…そんなに嫌ならば止めるが。」
「……あ…。」
「お前の蜜は甘いな。」
「な、何故指を抜いた。」
「…それは……ミロ、お前の本意でないことはしたくない。」
「そ、それは…そうだが。」
「駄目だと言ったのはお前だろう?」
「そ、それは、そう、だがっ……………………だ、駄目じゃない。そ、それに、身をよじったのも、き、気持ち良かったからで…っ!」
「…。」
「お、おい、続きはしないのか?」
「……。」
「カノン?お前、どうした、両手で顔を覆って。何か変なことを言ったか?おい、こちらを見ろ。どうしたというのだ、まったく。そのように首まで赤くして…背中も赤くなっているぞ。」
「くそ、お前は俺を殺す気か…。」
「はあ?またわけのわからんことを。愛するお前を殺すわけがなかろう。」
「…っ!」
「?!ど、どうした、ベッドの上を転がり始めて?!……お前は本当にわけのわからんやつだな…。」
「あら、ムウ。やっと来たのですね。もうあなたの出る幕はありませんよ。」
「?それはどういう意味で………ああ、そういうことですか。」
「でも、ちょうど良かったわ。このマカロン、侍女に配るには数が足らなくて。貴鬼に贈らせてちょうだい。帰り際、シオンにも、大事ないと伝えてくれないかしら?」
「かしこまりました。」
「うふふ、式には何を着て行こうかしら。楽しみですね。」
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