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出だしを間違えました☆
最初から書き直すか、書き進めるか。
びみょうです。



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聖戦後、巨蟹宮では金曜に食事会を開くのが定例と化していた。メンバーは固定で、宮の主であるデスマスクを筆頭に、年中組、ミロ、カノンの5人だ。機会があればサガやカミュが加わることもあるが、ほぼないと言って良かった。なぜならば、食事会はそのまま飲み会に切り替わることが多かったからだ。メインの食事など抜きで、最初から酒盛りを始めることもままあった。
唯一の紅一点であるミロは料理が壊滅的にできないため、もっぱら、食事を作るのはデスマスクの仕事だ。今日は、一昨日まで任務でチリに出払っていたカノンが大量のチリワインを土産に買って来たせいで酒盛りムードのため、どうせ手の込んだ料理を作ったところで誰も食べないだろうという判断から、適当にチーズを盛りつけていたデスマスクの元へ、わずかに顔を赤くしたシュラがやって来た。
「手伝おう。」
デスマスクはいぶかしんでシュラを見つめた。元来、シュラは律儀でこのような場合裏方に気を遣う男だが、気心の知れた仲であるデスマスク相手にわざわざ気を遣うはずがない。いつもであれば、アフロディーテの話を聞きながら黙々と飲み続けているはずだ。無言で手伝いの理由を催促するデスマスクへぽつりとシュラが呟いた。
「珍しく、ミロが酔っている。」
「へえ、そりゃ珍しいな?一体どうしたんだ。」
ミロはかなり酒に強い方で、ざるとまではいかないものの、ワインボトル2本程度ではろくに酔わないはずだ。驚いて目を見開くデスマスクに、シュラが首を振った。
「アフロディーテが飲ませた。」
「何本?」
「今、4本目だ。何か腹に入れた方が良いだろう。」
つまり、手伝いとは建前で、シュラは可愛い妹分のためにつまみの催促をしに来たというわけだ。腑に落ちると同時にカチンときたデスマスクは、シュラへチーズの皿を勢いよく押しつけると、冷蔵庫の中を漁り始めた。



デスマスクが即席パエリアを手にリビングへ向かったときには、ミロはずいぶんご機嫌になっていた。昨日から親友のカミュが珍しく聖域に姿を見せていることもあって、いつもより過度に酒が進んでいるのだろう。
「お前、そんなに飲むとどっかの野郎に襲われるぞ。」
ミロを助けようとしてやぶへびで大量に飲まされたものか、少し据わった目でミロの唇を凝視しているカノンを揶揄してデスマスクが言えば、まったく自覚のないミロはからからと笑い声を上げた。
「何を言っている。この聖域で、蠍座の黄金聖闘士のミロを襲えるようなものがそういてたまるか。」
そう言うミロの口調は怪しい。
「意外といるんじゃねえのか?」
「はは、笑えない冗談だ。」
笑えない、と言いながらも、ミロはワイングラス片手に肩を揺らして馬鹿笑いしている。そもそも、冗談であるにしても、実力のほどを疑われた時点でミロが怒りださない事態は珍しい。デスマスクがちらりと視線を投げかけると、シュラが諦めた顔つきでテーブルの隅に寄せられたワインボトルを示した。
「お前ら、俺がいない間に10本も飲んだのか…。」
一般人なら急性アルコール中毒で死んでいてもおかしくない。いくら色々な意味で尋常離れした実力を誇る聖闘士が4人がかりとはいえ、酔い潰れて当然の量だ。どおりで、ミロの口調がおぼつかないわけだ。
元凶となったアフロディーテはソファに顔を押しつけて寝息を立てている。
呆れを通り越して心配になって来たしらふのデスマスクの前で、ミロがワインをこぼしたのはそのときだった。ミロは一瞬わけがわからなかったのか眉根を寄せた後、ワインをこぼした自分にびっくりした様子でカノンに謝った。謝罪の言葉を受け入れるカノンも、腑に落ちない態度をしている。それもそのはずで、デスマスクも、本気を出せば光速で動くことの出来る黄金聖闘士がワインすら避けられなかった事実に驚くと同時に心から呆れ返った。しかも、こぼした場所が場所であるだけに、少し笑えた。
「お前ら、飲みすぎだ。外でちっと頭冷やして来い。」
手を引いて立たせてやったミロの身体はぐんにゃりしていた。酔っ払い特有のあの妙な重さだ。アルコールのせいで脈拍も速いし、熱っぽい。これでは、ろくに小宇宙も練れやしないだろう。一抹の不安を抱いたデスマスクは二人を宮の中庭へ追い出す際、ミロの背中をばしんと叩いた。
「くれぐれも襲われるんじゃねーぞ。」
「ははは、またその笑えない冗談か。」
「あんたは、大丈夫か?ほら、とりあえず、布巾。着替えがいるようなら持ってくるから言ってくれ。」
「ああ、すまん。」
両手で布巾を握り締めるしぐさは妙に稚拙でかわいらしいものだったが、筋肉ムキムキの大の大人がしたところでかわいいはずもない。デスマスクは目をぐるりと回すと、「何かあったら言え。」それだけ言い捨ててリビングへ戻った。
「大丈夫だろうか。」
開口一番、心配そうにシュラが言う。デスマスクは肩を竦めて、中庭の方角を見やった。初秋でまだ微妙に暑いため、すべての窓は解放してある。そのせいで中庭の会話はリビングにいるデスマスクたちに筒抜けだから、万が一何かが起こっても、大事に至る前に止めることは可能だろう。
何しろ良い子ちゃんで末っ子のミロは、女神を筆頭に教皇やサガに溺愛されている。いくら相手が、聖戦後黄金聖闘士筆頭の座にまで上り詰めたカノンであっても、巨蟹宮で何事かあろうものならば、事件を看過した事実で怒られるのは目に見えていた。

「カノン、すまない…。大丈夫か?俺が注意していれば…。」
「ああ、気にするな。避けられなかった俺にも責はある。」
「だが、染みになってしまうのではないか?」

珍しくうろたえた様子のミロと落ちつき払ったカノンの声にデスマスクはシュラへ頷いてみせた。
「あれ?私のミロは…?」
寝ぼけ眼をこすりながら、アフロディーテが問うてくる。ひとたび任務が絡めば麗しく咲き誇る孤高な薔薇も、私生活ではわりとだらしなかった。堅苦しい仕事の反動かもしれない。
「寝てろ。」
「ううーん…。でも、ミロが…、」

「布巾を貸せ。それでは落ちないだろう。」
「お、おい、ミロ。あまりぐいぐい拭くな。」
「というか、思ったのだが、濡れた服を身につけていて気持ち悪くないのか?誰もいないのだから脱いでしまえ。」
「止めろ、お前、勝手に人の服を脱が…、お、おい!ま、待て!!」

気になるのは、カノンの妙にとり乱した声の調子だ。再び眠りに落ちていくアフロディーテの相手をしてやっているデスマスクの脇腹をシュラが肘で突いた。
「デスマスク。」
「何だ?」
「確か、ミロが酒をこぼした場所は…、」
「ああ、カノンの股間直撃だったな。」
「大丈夫なのか?どうもミロは、カノンのジーンズを脱がしているようだが。」
「大丈夫じゃねえか?まさか、ミロだってカノンの下着まで脱がせねえだろうし。」

「?カミュと違う…これはどうなっているんだ?おい、手を離せ。それではちゃんと拭きとれないだろう。」
「離せるか、馬鹿!お前は俺を何だと思っている…!露出狂か?!」

「……デスマスク。」
「悪い。まさか野郎と二人きりでいるときに野郎の下着を脱がすくらいミロが常識外れだとは思わなかった。」
無言でシュラが見つめてくるので、デスマスクは口を尖らせた。
「何だよ。そんな咎める眼すんじゃねえよ。お前だって同罪だろ?」

「だいたい、お前はカミュとどういう関係だ。何故、カミュのものを知っている!」
「そんなにおかしいことか?一緒に風呂に入っていたから、知っていて当然だろう?」
「それはいつの話だ…まさか最近か?!」
「10歳くらいまでの話だ。よくわからんが、教皇だったサガに強制的に止めさせられた。」

「そういえば、そんなこともあったな。」

「なあ、だんだん腫れて来てないか?何だか熱くなってきているし…、病気なら
「ゴールデントライアングル!!!!!!!!!」
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