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カノミロ子学園モノを描きたかった。
正確に言うと、カノミロが転生して、同い年として学園で再会して、自分に感銘を与えたミロがミロ子になっていてショックを受けるカノンと、自分の性別など大して気にも留めないで重要なのは実力だけだとほがらかに笑いながら言うミロ、で、ショックを受けているカノンの腕を引いて久しぶりに会ったんだから食堂で茶でもしようと誘うミロでカノミロ、が、描きたかった。

のですが、ミロを原作のモフモフではなく、アニメ仕様の髪型にしてみたところ、自分の中でどうあがいてもミロがミロではなくなり、でも、若いカノンはどう見てもデフテロスさんではないよな!なにこれ!と葛藤した末、タイレア子にしか見えなくなっていました。

以下、その妄想と、妄想の原因となったイラストです。



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タイタン:
人間。13年前時点では、ロン毛の15歳。双子座の黄金聖闘士候補の学生。聖域や学園のあり方、人類の存在に疑念を抱いていたところ、レアに見染められ、パラス軍に下る。サガみたいに鬱入ってたり、カノンみたいに高笑いをしたりしそうなイメージがある。(外見のせいか!)
レア:
ティターン(基本的には、不老不死)。学園に潜入したところ、タイタンに一目惚れ。タイタンの心の闇につけ込み、アテナ軍から離反させる。バストはBかC.スレンダーだけどすごい柔らかいふにゃんとした蠱惑的な肉体の持ち主。




つまらない任務だ。
木立から音もなく舞い降りたレアは、何事もなかったかのように、葡萄色の髪をなびかせて歩き出した。歩調に合わせて、スカートのフレアがひらりと揺れる。
レアは口端に小さな笑みを湛えた。
あちこちから、無邪気な子供の歓声や囁き声が聞こえた。明るく、朗らかな声が。
一体、この子どもたちのうち、どれほどのものが、血沸き肉躍る戦闘の昂揚や悲劇を知るのだろう。
いや、と、レアは内心嘲笑する自分を嗜める。子供たちのうちには、惨劇を知ってなお、知るからこそ、立ち上がろうと足掻くものもいるのかもしれない。
アテナがハーデスを下してから数年が経っていた。そうして、悠久のときを生きるティターンにとって瞬き一つの歳月の間に、部下を御しきれなかったアテナは聖域を追い出され、荒れ地と化していた聖域には学園が建設された。
今、こうしてレアが学園に潜入しているのは、この学園がどれほどの危険を孕んでいるのか、調査するためだった。二級パラサイトのレアをわざわざ派遣するくらいだ。たかが人間如きと嘲りながらも、本部はそれなりに危惧しているに違いない。
だが、レアは思う。
少しくらい危険でも良いではないか。呆気なく手折れるものなどつまらない。強きを下してこそ、己の真価を見定めることができるというものだ。
レアは己が働き蜂であることを知っている。働き蜂には、女王蜂がつきものだ。仲間たちはみな一様に口を揃え、女王蜂はいまだこの世に生を受けぬパラスその人だというが、内心、レアは懐疑的である。
まだ見ぬ女王を、女王として生まれただけで崇めるなど、レアの柄ではない。レアが信じるのは、生まれではなく、実力だ。
そして、この学園には、その実力が著しく欠けているように思われた。
黄金聖闘士が死に絶えた今、ただでさえ聖域は精彩を欠いている。だのに、本来よりどころとすべきアテナを退けるなど、愚かの一言に尽きる。
レアは信条として、つまらないことにはかかずらわないことにしている。
魅力を覚えない聖域に背を向け、立ち去ろうとしたとき、その黒が目に焼きついた。
何と言えば良いのだろう。
あてどなく彷徨った白夜で太陽に出逢ったときの感動。
初めてアルビノの黒鴉を目にしたときの驚嘆。
武人であればこそ、言葉で語る前に武で語るレアには、何と表現すべきなのか、わからなかった。
だが、たった一言で言い表すには十分すぎるほどでもあった。
そう、彼こそが、レアの――無二の女王蜂だった。




「ごきげんよう。」
不意にかけられた言葉に、座り込んで地面を見つめていた「学生」は面を上げた。
聖域のかつての名残を留め、荒くれ者の多いこの学園で、「ごきげんよう。」などという言葉は終ぞ聞いたことがなかい。そのせいだろうか。やけに、目の前の女子生徒が印象に残った。
鮮やかな葡萄色の髪は潮風になびき、柔そうな象牙の肌はどこか石膏に似た冷たさを放っていた。紅い唇が蠱惑的に笑う。

(中略)

これまでの半生と――人間であったこととの決別だった。
襟足を5センチほど残して切り落とされた漆黒が、潮風に舞いながら、海上へと流されていった。僅かな感傷を胸に光景を見つめる「学生」の隣に、ひそりとレアが寄り添った。
「せっかくお似合いでしたのに、勿体ない。お切りにならずとも。」
「フッ…勿体ないか。良い、どうせまたすぐ伸びる。時間は悠久にあるのだ。」
瞬き一つに終わる人間の生すら、自分には長すぎると感じていた日々が嘘のようだ。晴れがましい気持ちで口端を歪めて笑う「学生」に、レアもけぶるような期待に眼を燃やし、艶やかな微笑みで応えた。
石膏のように無機的な頬も、紅が挿せば、年頃の娘とそう変わらない。初めて、その事実に気づいた「学生」は、いささか乱暴な手つきで、レアの肩を抱き込んだ。
言葉に表せば陳腐な関係なのかもしれない。
だが、このときの「学生」には、レアさえいれば何ものも恐れるに足らない気がした。レアによって自分が充足され、レアを充足させている。二人きりの完結しきった関係。
ウロボロスの環のような。
「人間ではなくパラサイトとしての、新たな名を名乗るべきだろうな。」
肩を引き寄せ、耳元で囁く「学生」の胸に身体を預けながら、レアが囁き返した。
「では、タイタン、と。」
タイタンはティターン――つまり、巨人族全体を指す言葉だ。
「いずれ貴方様は、我らティターンのすべてを掌中に収められる方、タイタンという名を冠するに相応しい地位に上りつめる方。貴方様には、タイタンこそが相応しい。」
「学生」は笑った。言下に、貴方はすでに人間でないのだ、人類の敵なのだと諭されているような気がしたのだ。
人類の敵――それを言うならば、たかが人間ごときにティターンの頂点を取らせようとしているレアも、ティターンの敵に違いなかった。
「タイタンか、良い名だ。そう――、私にこそ相応しい。」
どうせ、永劫の生だ。苛烈な恋に身を焦がし、愛人の掌で踊るも一興だろう。
最後に勝てば良い。
タイタンは嘲笑ともとれる微笑を湛え、人類の終末に向かって碧く沈みゆく地平線を見つめるのだった。
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