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朝起きたらソノ気になっていた。
そんなことは、男にしてみればよくあることだと思う。生理現象の一つ、悲しい男の性質だ。深酒しすぎて使い物にならない頭が夢見心地ならなおのこと。休日で、かたわらに恋人がいたら、わざわざ性欲を抑えようなどという気になるだろうか。
あいにく、ミロはそんな気にはなれなかった。もともと、性欲は強い方だという自覚もある。というか、かつては自他共に認められるほど性悪だった恋人のせいで、後天的に強くさせられた。
そういうわけで、すっかりソノ気だったミロは、見覚えのある青髪を見た瞬間、ろくに頭を働かせもせず相手をベッドへ引きずり込んでいた。そもそも、前日いつにないほど深酒した原因も、多忙すぎて欲求を満たしてくれない恋人への不満にあったのだ。
双児宮で、サガがカノンと同居し始めて半年。実に、長い半年だった。
ミロはカノンとも親交があるため、兄弟が誤解を取り払って仲を深めることに関しては、まったく不満がなかった。むしろ、少しでも二人の手助けが出来ればと、同僚のうちでは誰よりも心を配っていた。
その一方、ミロはサガの恋人としてこれ以上ないくらい不満を募らせてもいた。弟と同居の身では、夜、宮を抜け出しにくいのはわかる。だが、同じ理由で、こちらから容易に夜這いも出来ない。
そうこうするうちに、満足に肌を重ねられない状態が半年続く羽目になった。アクションを起こさない恋人へ、地獄に落ちろ、と何度言いかけたことか。寸でのところでためらったのは、いまだサガの情緒が不安定なのを十分理解していたからだ。
半年もの間放置されていた身体が欲望に疼いた。ミロはサガを受け入れるため自分の後孔へ指を這わせながら、しゃぶるのに邪魔な下生えを抑え、取り出したものへ舌を這わせた。普段澄ました表情を崩さない恋人が、自分の放埒な振る舞いに荒い息を吐いて欲情を吐露するときが早くも待ち切れず、過大な期待に、自然と、触れられもしないものが固くなった。
数年来の関係で、互いの良いところなど知り尽くしている。
いくらもしないうちに、反り返ったものから欲望がほとばしった。久しぶりだったこともあってか、達するのはかなり早かった。不意をついたのも、要因だろう。ミロはちゅっとわざとらしく音を立てて先端からあふれた白く粘つく体液を最後の一滴まで嚥下すると、口淫でてらてら光る唇を舐め、またぐらに顔を寄せたまま相手の表情を伺った。
そのとき、確かに、違和感はあった。
サガは――サガであるはずの男は――度肝を抜かれたように目を見開いて、ひどく手慣れた様子で受け入れるための準備を進めているミロの指先を見ていた。しかも、ミロがベッド脇にローションを常備しているなど、思いもよらなかったような顔つきもした。
これには、さすがのミロもいぶかしんで現実を直視しそうになったが、その瞬間、勢いよく押し倒され、いきり立ったもので貫かれていた。
ミロはあられもない嬌声を上げて、半年ぶりのセックスを堪能した。限界まで足を開かされて、乱暴にキスを交わしながら、相手のたくましい背に爪を立てる行為に没頭した。犬のように這いつくばり、後ろから荒々しく揺さぶられる悦びを心から楽しんだ。
サガがいつもよりやけにがっついている気がしないでもないものの、久しぶりだから、という言い訳が逃避の理由になった。
それでも、心のどこかで気づいていた事実は否定できない。
なぜなら、ミロを抱く男の所作は、まるで――まるで――そう――異性とのセックスなら飽きるほど経験がある男が、はじめて同性を抱くことにとまどい、調子が狂っているような感じだった。
けれど、それ以上に快楽は鮮烈で、ミロは思考する努力を放棄した。パブロフの犬、偽教皇時代に学んだ生きる術だった。最初からアルコールのせいで正常な判断能力にいちじるしく欠けていた頭は、ろくすっぽ働きもしないうちから、奈落の底へ墜ちていった。
なぶられて腫れた先端へ爪を立てられ、何度目になるかわからない快楽の頂きを極める。
激しいドライオーガズムに、笑っていたミロの膝が耐えきれずにくず折れた。持続する快楽に、口端から涎がこぼれ落ちた。
まだ一日は始まったばかりだというのに、終わるかのようなありさまだ。ミロは自嘲の笑みを浮かべて、後ろ手を伸ばした。もちろん、サガに抱き締めてもらうためだ。
引き寄せられ、重ね合わせた肌が汗でぬるついた。
サガはミロを胸に掻き抱いたまま、いつくしむように耳から首筋へかけて唇を這わせながら、嫌になるくらい甘い笑みを浮かべて、耳元で囁いた。ひどく甘い――甘すぎて反吐が出る声音だった。
「…それで、誰と間違えた?」
冷や水を浴びせられたような心地で、ミロは背後を勢いよく振り返った。
そうして、サガよりいくぶん色の薄い目を見て、ようやく、昨夜からカノンと同居し始めた事実に思い至った。





>つづく?
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