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キャラの視点がぶれぶれだったので、この後、三人称じゃなくて一人称で書こうか挑戦した後、最終的に、なんかよくわからん話になりました。

「(ミロと一緒にいる)今がもっとも素晴らしい時間だ!時間よ止まれ、お前はうつくしい!」

ファウストオマージュ的な感じの、たまにはタイトルをちゃんと考えてみたそういう話にしようと思ったのですが、拙宅のカノンくんがご機嫌すぎて駄目でした。
ミロといるのが嬉しすぎてるんるんすぎるぞ、こいつ…!
だがしかし、通常運転なのである。
(というか、基本的に、攻めは受けにめろめろきゅんになってしまいます。)
そしてゲーテのファウストへの憧れをこじらせていて、我ながらよくわからないです。





セカンド・ファウスト (カノミロ)

けぶる闇にほの白い月がかんばせを覗かせている。
しんと静まり返った中、ミロは無言で足を動かしていた。任務から帰ってきたところだ。危険の付きまとう任務で、どちらかといえば、体力勝負のアイオリア向けの類だ。聖戦が終わり、命令を下すべき教皇が不在の今、黄金聖闘士にとって任務はもっぱら己で選択するものとなっていた。しかし、無鉄砲ともとれる行動を誰も止めなかった。聖戦を経て、ミロは変わってしまった。口にこそ出さないものの、誰もがそう感じていた。
文明から逆行するかのような生活を自らに課している聖域の夜は、驚くほど早い。身を切る寒さに亡くした友の姿を想い浮かべながら、ミロは双児宮の門をくぐった。闇に視覚は効かなかったが、感覚がものを言った。
この一年で、何度、こうして足を運んだことだろう。ミロはいぶかりながら、迷うことなく寝室へと向かった。少なくとも、寝室への道順を覚える程度には足を運んだ勘定になる。最初は物好きな男だと呆れていたのが、いつの間にか、立場が逆転していた。今でも、カノンはミロの元へやって来るが、足繁く通うのはミロの方だった。おそらく、ムウが示唆するように、天蠍宮には思い出が多すぎるのだ。ミロにもわかっていた。わかっては、いた。
いつの間にか、冷え切った指はかじかんでいた。黄金聖衣を脱ぎ捨てるのももどかしく、ミロはそのままベッドに片膝を乗せた。ミロの動きに合わせて、ぎしりとベッドが軋んだ。今では耳慣れた響きだった。
「カノン、帰った。」
頭の隣に腕をついて囁けば、眼下のカノンがうっすらと片目を開け、見上げてくる。他の黄金聖闘士たちに気づかれないよう小宇宙を断っていたから、血の臭気で目覚めたのかもしれない。温かな目に僅かな憐憫を見とがめて、ミロは口端を歪めた。何度、こういう眼差しを向けられたことだろう。数えるのも馬鹿らしくなる回数だった。
「帰って来て早々発情期か?困ったやつだな。」
ミロの豊かな髪に指を絡めて抱き寄せ、カノンが笑う。
「その前に言うことがあるだろう。」
「おかえり、ミロ。」
「ただいま。」

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