雑記および拍手にてコメントいただいた方へのご返信用です。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
大きく背をのけぞらせたミロの身体がこわばり、ゆっくり弛緩していく。カノンはあまりの快感にぐずぐずいっているミロから自分を引き抜くと、隣にごろりと横たわった。
ミロはまだぐずぐずいっている。黄金聖闘士の俺が、とか何とか悔し涙を浮かべているのがちらりと見えた。
あけっぴろげにセックスを求めてくるミロは、素直すぎるあまり、案外、あいらしく、それがカノンのしゃくに触っていた。最近は、どこまでやってみせればミロの許容範囲を飛び越えて逃げ出すだろうかと、ひどく躍起になっている自覚はあった。
今日は、やけくそで尻を開発してみた。もちろん、拒まれるだろうと思ってのことだったが、ミロの狭い穴を指で慣らすうちに二人して本気になってしまい、火がついて、このざまだ。
恥ずかしい黄金聖闘士なのに、と連呼しながらも、最後まで嫌だと拒まなかったミロがうらめしい。それ以上にうらめしいのは、うっかり勃ってしまった愚息だ。
そのうち、大人の玩具も買ってきて、試させてみようか。どうせ、ミロは拒まないだろう。この前も、無毛なのを良いことに、姿鏡の前で大きく足を開かせて結合部を晒し、あんなことやこんなことをさせたばかりだ。
なんとなく、許容されていることに安堵している自分に気づきつつも、その自覚から目を逸らして、カノンは今度は違う下のお口の味を堪能するためミロの身体を引き寄せて組み伏せた。
「お前、男に抱かれて気持ち悪くねえの?」
珍しく一緒にアテナの護衛につくことになったデスマスクが問いかけてくる。ミロはちらりと一瞥投げかけると(デスマスクは見下してる自覚はないのだろうが、おもいっきり見下ろされている事実に腹が立った)、ふんと鼻を鳴らした。
「お前だったら死んでも御免だが、相手はカノンだからな、別に気持ち悪くはないぞ。」
「くそが。俺だってテメエみてえなブス、死んでも御免だ。」
デスマスクが悪態をついてくるが、いつものことだ。ミロは知らんぷりでカノンのことを思った。任務に出払っていたカノンは、もう双児宮に帰っているだろうか。また一人きりで部屋に閉じこもって、つまらない本など読んでいないだろうか。
ミロはあれほど素晴らしい男を、みなにもっと知って欲しかった。カノンが見せびらかす表面ではなく、あの男の本質を見てとり、その孤独な魂を理解して欲しかった。
確かに、カノンは傲岸な態度を崩さず、青銅に対しても同僚に対しても、同じく不遜で鼻もちならない態度を取る。だが、それも、海龍だった頃のやましさから、そのようにしてしまうのだ。あるいは、スペアだった頃の記憶から。
「お前、実際問題、どうやってカノンを落としたんだよ?あいつ、気味悪がらなかったのか?」
「最初はものすごく嫌がらせたが、まあ、それでも抱かざるを得なかったのは俺の魅力ゆえだろう。落とした、とまでは言えんが。」
「けっ、言いやがって。単にヤッてみたら下の具合が良かっただけだろ。」
「そうかもしれんな。」
素直に頷いてみせるミロに、毒気を抜かれた様子でデスマスクが肩を竦める。しかし、次の瞬間には、ふいに興味を引かれた様子でミロの手首を掴んだ。
「もしかしてお前、名器なのか?一発やらせろよ。」
「痴れ者が。誰が貴様などに身体を許すか。」
溜め息がこぼれる。
「そうは言っても、カノンには許してるんだろ?どうしてスペアが良くて、俺は駄目なんだよ。」
「すまん。ついうっかり手が出た。」
てへぺろっ、と言い出しそうなほどにこやかな笑みを浮かべたミロは胡散臭いことこの上ない。誰かに入れ知恵でもされたのだろう。カノンはミロの身体を引き寄せると、おもいっきり、両頬を摘まんで引っ張った。
「すまんで済む話ではないだろう。」
「いだだだだだ。」
「聖闘士の私闘は禁じられている。黄金聖闘士の鑑であるお前が、それを知らんとは思わん。」
「だから、ついうっかり、だ。俺もうっかりすることくらいある!」
ミロも往生際が悪い。喧嘩の発端になったカノンが、事件の顛末を知らないとでも思っているのか。当然、サガから苦情を言われたに決まっている。
しつけがなっていない?
しつけられるか、こんな野生児。
スペアと呼ばれることなど、慣れている。自分の性格が悪くて、聖域で孤立してるのも重々承知だ。ミロがデスマスク相手におきれいな経歴を傷つけなければならなかった理由など、何一つとしてなかった。
カノンはミロの小柄な体を要領よくベッドに押しつけると、動揺もあらわにじたばたする手足を抑えつけ、下着をはぎとった。耳にふっと息を吹きつけてやれば、耳を赤らめて沈黙する。
「か、カノン、スキン!」
「たまには良いだろ、つけなくとも。」
剥き出しの首にやわく歯を立て、舌を這わせる。ううう、と怖気にも似た快楽に肌を震わせるミロのあそこは、しっとり濡れて来ている。
野生児のしつけに興味はなかったが、ミロの身体をどこまで自分好みにしつけられるのか、それは興味があった。あさましい男の身勝手さで、中出しの感覚をミロに覚えこませたいという欲望もあった。それに、ちょっとした、ご褒美のつもりで。
「カノン!」
ぐい、とミロがカノンの身体を押し退ける。はじめての抵抗に虚をつかれて、目を丸くするカノンに、ミロが唇を噛んだ。
「万が一、子供が出来たらどうするつもりだ。」
どうするも何も、
「俺はお前を縛りつけたいわけではない。」
ミロが言う。
「お前はもっと、自分のしたいように生きて良いんだ。」
今のカノンを見て、身勝手に生きていると思わないものはごく少数だろう。
聖域の連中とは折り合いが悪く、かといって、海闘士時代の面々と仲が良いわけでもない。自分の欲望のために連中を裏切ったわけだから、当然だ。何もかも見透かすアテナには、本心から、なけなしの善意ゆえに身を粉にして尽くしているが、それとても、いつまで続けられるか見当もつかない。
カノンは、自分が嫌いだった。
あさましく、自分本位で、見栄っ張り。誰よりも能力がありながら、それを自分のためだけにしか使おうとしない。自分を認めない、自分の存在を認めない他人のために使うことを良しとしない。
いや、他人のために使うことが怖いのだ。
使おうとして、拒絶されることが怖い。
他人が、怖い。
これまでのカノンの人生は、他人の視線に翻弄されるものだった。他人の目を恐れ、恐れる自分に苛立ち、認めさせてやろうと奮闘し、わやくちゃになって終わった。何も、得るものなどなかった。
それにもかかわらずミロは、臆病者のカノンを勇猛果敢と敬い、カノンのために自分を犠牲にしようとしている。面倒を見てやっているつもりが、そばにいさせてやっているつもりが。寄りかかっていたのは自分の方だった。
カノンはどこからともなくスキンを取り出し、差し出して来るミロからスキンを払い落すと、おもいっきり、骨も折らんばかりに、ミロの華奢な身体を抱き締めた。
そのまま、ベッドに倒れこみ、唇を奪う。本気を出したカノンに、小柄なミロが勝てるわけもない。むうむう言うミロの抵抗をねじふせ、カノンは気のすむまでミロのあちこちにちゅっちゅと唇を落とした。
「お前、まだ、最初の約束は有効か?」
「ふあ?約束??」
「俺相手ならば、辱められる覚悟もあるか?」
ミロの目が、何が要求だ、と問いかけている。
「お前が俺の碇になれ、ミロ。お前さえいれば、俺はいつでも俺自身でいられる。」
「…俺ごときでは、力不足で振り回されてしまいそうだ。」
「ならば、俺に振り回されれば良い。一緒に楽しもう。」
にやにや笑いながらカノンがそそりたったものをすりつけると、ミロは顔を赤らめ口をへの字に曲げた。プライドがくそ高いくせに、カノンのすべてを受け入れて拒まないミロがいとおしい。はじめて、心から、いとおしいと思った。いとおしいことを認められた。
まずい。笑みが深くなる。カノンは左手で口元を覆い隠すと、ミロの身体を裏側にひっくり返した。
「とりあえず、明日はアテナにご挨拶だな。その後、ソッコーで婚姻届を出しに行くぞ。だが、その前に…」
「その前に?」
「子作りに励むか。」
うつぶせたミロの腹の下へ手を差し込み、尻をこころもち上向かせると、十二分に固くなっていたものをミロの中へ挿入する。歓喜という感情につられたのか、触れてもいないのにもうぐずぐずに蕩けているミロがあえかに喘ぎ始めるまで、十秒もかからないだろう。
カノンは激しい挿送に耐えきれず悲鳴めいてきた嬌声とずぶずぶに泡立つ結合部を見ながら、これからのめくるめく幸せな日々を思い、ミロに見えないのを良いことににまにま笑った。
PR
この記事にコメントする
カレンダー
フリーエリア
最新コメント
最新記事
(01/12)
(01/12)
(01/11)
(12/07)
(11/09)
プロフィール
HN:
たっぴ
性別:
非公開
ブログ内検索
P R