雑記および拍手にてコメントいただいた方へのご返信用です。
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1万字では終わりそうにないですね、わかります。
聖戦の時期はいろいろ考えてみたのですが、「春の宵」という記述を見つけたので、これ幸いと「復活祭」にかぶせました。
LoS版なので、2015年4月12日。
他にもっと良さそうな、死や復活に関係するお祭りなどありましたら、次回から使わせていただくのでご教授ください。
他の戦闘みたいに、キャラの誕生日とかじゃないんですねー。
(てか今まで聖戦の時期を適当に書きすぎましたすいません。)
聖戦の時期はいろいろ考えてみたのですが、「春の宵」という記述を見つけたので、これ幸いと「復活祭」にかぶせました。
LoS版なので、2015年4月12日。
他にもっと良さそうな、死や復活に関係するお祭りなどありましたら、次回から使わせていただくのでご教授ください。
他の戦闘みたいに、キャラの誕生日とかじゃないんですねー。
(てか今まで聖戦の時期を適当に書きすぎましたすいません。)
その日のうちに、私は双児宮に生活用品一式を持ち込んだ。もちろん、カノンの生活を助けるためだ。
そこまでしなくても、とシュラやムウには呆れられたが、責は私にあるのだから、私にしてみればこれくらいして当然だ。だいたい、何事かあったとき、双児宮と天蠍宮とでは距離がありすぎる。
カノンも私の案に諸手をあげて賛成した。聖戦が終結してから半年が経とうとしているが、カノンが双児宮に居を構えて1カ月、聖域に身を寄せてまだ3カ月。聖域の流儀に不慣れな点も多い。従者でもあればまた話は違ってくるものの、秘密主義で一匹狼のカノンは検討にすら値しないと言ってばっさり切っていた。
とはいえ、本来守るべきは天蠍宮である。生活必需品だけ持ち込めば事足りる。
リビングに備え付けてあるソファーベッドを借りる旨を告げると、カノンはにやにやと、あの人を馬鹿にしたような笑みを浮かべ、ベッドのマットレスを軽く叩いてみせた。
「そんなところで寝ずとも、ここで寝れば良い。キングサイズだぞ。」
「馬鹿を言うな。」
いくらベッドがでかいからといって、同衾する馬鹿はいない。にべもなく却下してみせる私に、カノンは口端を持ち上げた。私は言いかけた文句をぐっとこらえた。大人になるべきは、私だからだ。
思えば、あのときも、カノンは同様の笑みを見せたのだった。場所は、カリフォルニア州ビバリーヒルズ。どこにそんなに金を貯め込んでいたものか、聖戦後聖域に尽くすわけでもなくセレブの仲間入りを果たしている男に、私は開いた口が塞がらなかった。
3カ月ぶりに見たカノンの肌は、夏の日差しにほどよく焼けていた。もともと精悍な面立ちの男だとは思っていたが、日に焼けたことでなおさら男ぶりが上がったようだ。持って生まれた資質だろうか。街のあちこちで見かけた芸能人たちでさえ、カノンと比較すると色褪せて見えた。
カノンは、突然の私の来訪を驚くでもなく、邸内へ招き入れた。そのうち、聖域から使者が来るような気はしていたのだという。それが私であったとは思いがけず嬉しい、とコーヒーを差し出しながら如才なく言った男は、私の説得にあっさりと折れてみせた。ものの5分とかからず、かえって私が驚く始末だった。説得に応じないようならば、力づくでも連れて帰ろうと意気込んでいたためだ。
そんな私を、カノンは笑った。そうして、女誑しらしい台詞を吐いた。
「こんな美女に口説かれて悪い気はしない。」
それから三日と置かず、カノンは聖域へやって来たのだった。居住は知人にくれてやったのだという。ずいぶん、気前の良いことだ。
後日聞いた噂だが、私以外にも何人か、カノンの説得に向かった者がいたらしい。そのときのカノンは、なびく気配を微塵も感じさせぬ頑固さだったとか。あくまで噂である。しかし、カノンの居場所はムウから教えられたので、私より先にムウが説得に向かっていたとしても不思議ではない。
私は隙あらば触れてこようとするカノンの不埒な手をかわしながら、昼食を作るべく、寝室を後にした。持参したケトルを火にかける。初日の今日の食事は簡単に済ませるつもりだったので、レトルトパックだ。懸念したとおり、いつも外食で済ませているのだという男のキッチンは見事に空で、酒しかなかった。私は午後になったら、食材に加えて主要な調味料や洗剤も持ってくることにした。
怪我は、1カ月で完治する見込みだという。
あと1カ月ももつのだろうか。冷蔵庫に背中を預け、私は長々と溜め息をこぼした。カノンが私に惚れている?馬鹿な。やつはただの女誑しだ。すくなくとも、そうあるべきである。さっきのあれとて単なる暇つぶしの一環のはずで、ああ、考えるだけで混乱して来た。
その気のない同僚を意識するなど、愚の骨頂に違いない。自意識過剰にも程がある。
私は再び、深く溜め息をこぼした。アルデバランの台詞を思い返し、穢れを知らない生女のように狼狽している自分があまりにも愚かしく、先が思いやられた。
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