雑記および拍手にてコメントいただいた方へのご返信用です。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
○○ホテル。約束の時間の5分前にやって来たミロ子を、カノンは迎え入れる。カノンはミロ子の顔色がかんばしくないことに気づくが、先日の敗北と今からの辱めに身構えているのだろうと対して気にしない。
ミロ子は投げやりにベッドを一瞥し、唇を噛み締めると、諦めをにじませながらベッドに座りこむ。白いシーツに、やけに白いミロ子の顔色が気にかかる。
いつもどおり無遠慮にミロ子を押し倒したカノンは、下着を脱がせようとしてある事実に気づく。
「お前、今日は生理なのか。」
それならば、今日は無駄足を踏んだ。日程を変えたのに。内心いらだちから舌打ちをするカノンに、ミロ子は眉根を寄せる。
「せいり…?」
「この血は生理だろう。それとも、俺以外の男を咥えこんだのか?」
ミロ子がさして濡れないせいで乱暴にするとすぐ流血することを揶揄すると、ミロ子はかっとなって手をふりかぶる。だが、この前ほど勢いがない。よほど体調が悪いのだろう。よく見れば、額には脂汗がにじんでいる。
ミロ子の手を難なく受け止めたカノンは、きつく睨みつけてくるミロ子を見下ろす。
「お前、生理ははじめてか?」
「……聞いたことはある。」
体脂肪率が低いから来ていないのだと思っていた、と口内で不明瞭に言いわけをするミロ子をあとに、カノンは寝室を出ていく。
ユニットバスから戻ってきたカノンの手にはナプキンがある。
カノンはミロ子に命じてナプキンをつけさせると、軽い身体を抱き抱えてベッドに寝転がる。薄い、女らしさの欠片もない身体だ。やっと女になったばかりなのだと思えば、それも合点がいく。
髪が短いこともあって少年にしか見えないミロ子は、カノンの前だと、雨に濡れそぼる捨て猫を思わせる。気高くあろうとしながらも儘ならず、みじめであわれみすら催す姿に、カノンはいつも優越感を覚えていた。
だが、最初から傷ついていれば、傷つける気も失せる。
「温めると、少しはましか。」
大きな手のひらで腹を撫でてくるカノンへ、ミロ子は肩越しに疑惑の視線を向ける。その眼には、驚きも含まれている。しかし、カノン相手には理由を問い質しても無駄だと思ったのか、ミロ子は小さく頷いて意思を伝えると、とゆっくり瞼を閉じる。
やがて聴こえてきたかすかな寝息を聞きながら、カノンはミロ子の腹をさすり続けてやる。あえて傷つけない理由はある。だが、わざわざそうしてやる義理など何一つとして思いつかないまま。
PR
この記事にコメントする
カレンダー
フリーエリア
最新コメント
最新記事
(01/12)
(01/12)
(01/11)
(12/07)
(11/09)
プロフィール
HN:
たっぴ
性別:
非公開
ブログ内検索
P R